Yasu Blog

今なぜ日本型グローバルプロフェッショナルが必要なのか?

August 07, 2018

“I have always made it a point to know our employees, to visit every facility of our company, and to try to meet and know every single employee.” -Akio Morita (Co-founder of Sony)

人材不足が叫ばれる日本経済。 IT を駆使した生産性の向上や働き方改革による柔軟な勤務や遊休人材の活用、外国人活用による労働力確保が日々焦点となっています。

高度 IT 人材の採用、働き方改革による仕事に対する考えの変化、外国人活用による現場への影響と定着に対応するためには、今後日本とグローバルの両方を深く理解したプロフェッショナル人材が必要不可欠です。

日本企業で成果をだすために外国人が学ぶべきスキルは何か。 日本人が日本人らしさをもって成果をだせる働き方は何か。外国人が働きやすい職場を作り、チームの成果を高めるために、日本人がグローバルから学ぶべきスキルは何か。 これらを整理することで、日本のやり方を押し付けるのでも、グローバルのやり方を単純に採用するのでもない、日本らしいグローバル化を実現することが求められています。

目次:

  1. 今なぜ日本型グローバルプロフェッショナルなのか?
  2. 政治・経済・社会・技術から見る国内のグローバル化
  3. 日本らしいグローバル化とは何なのか?答えは外国から学ぶ。
  4. 実行力がなければ意味はない。

今なぜ日本型グローバルプロフェッショナルなのか?

日本経済の回復のニュースが続く中、人手不足が叫ばれています。 そして人手不足を外国人労働者を活用することで解消するために政府は益々外国人材の就労に対する門戸を広げています。 企業もまた外国人の採用を広げ、国内での日本語バイリンガル人材に対する需要は過去に例を見ない程拡大しています。(*1)

しかしその一方で、日本で就労を望む留学生の約 3 分の 1 は日本で就職ができていません。(*2) そして、日本企業に就職しても半年や 1 年で退職してしまう外国人。 海外担当という名目で、日本人との交流がない部署でほとんどの時間を過ごす外国人。 こういった就職後の課題もよく耳にします。

また、コンサルタントとして勤務する中で、 日本企業の海外展開にあたり、現地駐在になったものの、 ・現地メンバーとコミュニケーションができない。 ・現地メンバーとの信頼関係が築けない。 ・現地メンバーと仕事が完全に分割されてしまっている。 という日本人も多く見てきました。

そして顕在化していない問題、つまり問題を問題として認識できていないケースも多々あります。 例えば、日本人のマネジャーが、外国人メンバーをマネジメントする能力がない場合において、マネジャーは外国人メンバーの仕事の能力が低いと決めつけ、自分目線だけで低評価を与えるといったパターンです。 これにより、外国人の昇進機会は阻まれ、地位が高い外国人が生まれず、ロールモデルとなる人がいないために、優秀な外国人が来なくなるという負の連鎖に陥っている場合です。

これらのことに共通しているのは、 外国人に日本で成果をあげるために必要な日本企業文化の基礎スキルが身に着いていないこと。 日本人にグローバルでのビジネスを遂行するために必要なマインドとスキルが身に着いていないことの 2 点です。

企業側は留学生に対し、「コミュニケーション能力」、「日本語力」、「協調性」、「異文化対応力」を必要資質として求めていますが、逆説的に企業側の日本人担当者にこれらの能力がなく、留学生側に頼ってしまっている現状も見え隠れします。(*3)

日本企業が日本という強みを生かしつつ、グローバル人材を活用し、グローバル市場でビジネスをしていくためには、「日本 × グローバル」のハイブリッド型人材をより多く育成、確保していく必要があります。 そして日本国内で生活する外国人、企業内の外国人比率が急激に増加する中で、日本人、外国人それぞれが日本とグローバルの 2 つの場面で TPO に合わせてスキルをスイッチさせていく能力が必要となります。

政治・経済・社会・技術から見る国内のグローバル化

AI や IoT を使ったサービスを構築するためには数理分野に強いプログラマーが必要となり、優秀なプログラマーは通常のプログラマーの 10,000 倍の成果を出すといわれています。(*4)

こういったプログラマーの獲得においては、グローバルレベルでの人材獲得戦争(War for talent)が行われています。 そして日本はこの領域において、世界から人を集められているのかというと、残念ながらそうではありません。

高度人材にとって、日本の魅力はアジアの中でも最低となってしまっています。(*5)

政府はこれに対し高度外国人材制度による永住権の早期付与等魅力的な在留制度の提供、起業希望者への在留許可の付与、留学生の就職支援等をしつつ、日本語指導や多言語化の拡充、就労環境の改善をすることで、外国人労働者の増加を図っています。

日本企業も外国での就職セミナーの実施等により、海外有名大学出身者を雇用し、彼らを宣伝することでさらなる外国人の雇用を呼ぶという試みを行っています。

しかし、彼らを雇用しても、実際に「活用」できているのか、そして「定着」しているのか、つまり一緒に働く日本人側も変化していっているのか、という点についてはまだ見えていません。

社会的に見ても、日本にいる外国人は 2014 年の約 212 万人から 2017 年には 247 万人と 5 年で約 35 万人が増加しています。 しかし、日本にいても日本語を話せず、日本文化を知らない外国人は多く存在し、そういった人達とうまく共存できないコミュニティも多く存在します。 今後も外国人労働者や訪日外国人が増加し続ける中で、日本にいる日本人も外国と接点を持たざるを得ない状況が増えています。 そうなったときに、彼らとうまく共存できるよう日本人も学ぶ必要があります。

そして技術の進化によって、国と国の境目が限りなく薄くなってきています。 IT 業界では最初から全世界を市場と捉えてサービスを展開するのが当たり前になりつつあります。 また従来の製造業等も、海外展開や外国企業との提携にかかるハードルは情報通信技術の発展によって低くなりつつあります。 リモートワークや、国境をまたいだ仕事が当たり前となっている他先進国の働き方を見た時に、最新技術を活用し、グローバルにどれだけ早く展開できるか、そしてその技術を使い働く人一人ひとりにグローバルで仕事するスキルが備わっているのかが重要になってきています。

続き

(*1 厚生労働省  「外国人雇用状況」の届出状況まとめ ~外国人労働者数は約 128 万人。届出義務化以来、過去最高を更新~)

(*2 Mitsubishi UFJ Research and Consulting  留学生・高度外国人材の受け入れの実態と課題

(*3  株式会社ディスコキャリタスリサーチ(2017)「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」)

(*4 ラズロ・ボック (著) ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える)

(*5 Bloomberg  日本はアジアで最下位、高度外国人材への魅力欠く-IMD )